伝統工芸菓子
2010年07月01日

<山紫水明を菓子で作り上げる匠の技>
飾り菓子(工芸菓子)の歴史は、江戸時代、京都の「干し菓子細工」に始まり、元治・慶応の頃、諸大名の献上菓子の需要増に伴い発達した和菓子の類の中でも特殊なジャンルです。
花鳥風月、行事、祭事等々をモチーフに、芸術性豊かな観賞用の特殊な和菓子を。「工芸菓子」と呼ぶようになったのは戦後のことです。
世に知られるようになったのは、明治23年東京で開催された「第3回国内勧業博覧会」からでした。
また、フランスのパリで開催された「第2回・万博博覧会」へ出品し、卓越した芸術的技法による工芸菓子の造形美は、世界的な評価を得るようになりました。
その後「工芸菓子」は、全国各地で開催された菓子博覧会に、飾り菓子らしい気品の高い作品が創作され、それらの技術が名匠達によって和菓子業界全体へと広げられ今日に至りました。
「工芸菓子」は現在、我が国の和菓子技術では最高峰の地位となり、4年に一度開催される全国菓子大博覧会の最大のイベントとなっています。

2008年 全国菓子大博覧会工芸菓子の部、最優秀賞(三笠宮名誉総裁賞)受賞作品「深山和春」

2009年 大阪食博覧会「工芸菓子作品展」文部科学大臣奨励賞受賞作品「不老瑞翔」

有限会社とも栄菓舗 代表取締役
和菓子一級技能士・おうみの名工
西沢勝治